岸辺 正雀 ショットバーレインフォレスト
思い出のお客様

オープン当初のお客様のことを思い出しました。

というよりも初めての一見のお客様のお話です。

去年の3月4日に店をオープンしたのですが、

約一週間は友達や知り合いの人しか来ていませんでした。

宣伝をしていないどころか、表に電気をつけただけで、

「OPEN」の看板も出していなかったのです。

それでも、そんな店に足を踏み入れてくれたカップルがいたのです。

オープンしてちょうど一週間後の3月10日のことでした。

男性は30代くらいでしょうか、

女性はまだ20代前半くらいの若い方でした。

女性の方が近所にお住まいの方で、

店を作ってる時から気になっていてくれたらしいのです。

それからしばらくして二回目のご来店の時、

梅田でホステスをしていると教えて下さいました。

今でも、「半年前から気になってたんです」

と言って勇気を振り絞って(?)来てくださるお客様はいらっしゃいます。

その第一号のお客様がホステスさんでした。

すごく仕事に対して前向きな方で、話を聞くたびに

えらく関心させられたのを覚えています。

何度も仕事が終わった遅い時間に急いで来てくれて、

クラブの裏話も聞かせてもらいました。

そして、その方の誕生日をむかえる数日前のことです。

「目標にしていたナンバーワンになれたので、店を辞めることにしました。」

という報告を聞いてからはパタリと来られなくなりました。

前に話していた内容から、おそらく引越してしまったのだと思います。

僕の店が友達以外にも需要があるのだと、初めて認識させてくれた人でした。

またあの日のように、フラッと現れてくれる日を楽しみにしています。