失恋をチャンスに

失恋をして、生まれ変わった後輩がいます。 彼はそれまで、何をしたいのか明確に分かっていませんでした。 それでも、なんとなく経営に携われるような仕事に就きたいと、 中小企業診断士の専門学校に行くことまでは決めていました。 その矢先に彼女と別れることになったのです。 彼は、さすがに落ち込みました。 自分の不甲斐なさを嘆き、悔しさも溢れたのだと思います。 そして、このままではいけないと動き出しました。 ここがすばらしいところです。 気持ちの整理がつくまで動かない、ではなく、とりあえず動いたのです。 彼女と別れてから行く気になれなかった専門学校に行きました。 更に、以前から受けようと思っていた簿記３級の試験を受ける為に勉強しました。 試験は一ヵ月後に迫っていました。 それでも簿記３級合格。 勉強している間、彼は簿記の勉強が楽しいと思えることに気付きました。 そして、次の目標、更にはその先の目標も見つかったのです。 簿記２級、１級と受けて、いずれは会計士になろうと決めたのです。 それまで「とりあえず」で生きていた彼の目に光が差したように見えました。 考え方の中心だった彼女が自分に代わり、自分自身を見つめ直せたのだと思います。 別れが良かったとは言いませんが、縁があればまた出会います。 その時は、以前よりももっと自信に満ちた状態で彼女に会えるのではないでしょうか。 僕の親しい友人の座右の銘は『ピンチはチャンス』です。 そう考えると、彼にとっては失恋もまたチャンスだったのかもしれません。