眠れるバーの人 |
初めて一人で来てくれた男性。 見た目には普通でしたが、実はかなり飲んできていたようでした。 バーボンのロックを少しだけ飲み、映画を観ていたかと思うと、 肘をついたまま眠りにおちてしまいました。 5分ほどで眠りから覚めたのか、またグラスを傾けました。 「お疲れですね」 と声をかけると、なんとか搾り出すように 「少し飲みすぎてね・・」 とおっしゃいました。 様子からしてかなり眠たそうで、カウンターに枕でもあれば 2秒でまた眠りに落ちそうなくらいでした。 それでもなんとか、バーボンを飲み干し、 ふらつきを一生懸命おさえるかのようにして、 しっかりと帰っていかれました。 「ごめんね、ずいぶん寝てたんじゃない?俺」 「いえ、5分もたっていませんでしたよ」 「今度はちゃんと飲みに来るよ」 他にもお客さんはいらっしゃったのですが、 誰にも迷惑をかけることなく、最後まで紳士的にふるまわれました。 「今度は・・・」と言ってくれた言葉がうれしかったです。 また、その日最後の一杯をお待ちしております。 |