いつものように車を運転して、
いつものように信号を右折すると、
いつもはいない警察官がいました。
僕と目が合った警官は急いで笛をくわえ、
「ピピピピピッー」
と鳴らしたのです。
僕はシートベルトをしていませんでした。
たまたまちょうど、していませんでした。
それにしても素晴らしい。
左折した所ではなく、右折した場所で待機していたのです。
左折なら初めに左目で警官が見えます。
左目は右脳に繋がっているので、感覚でヤバイと思った次の瞬間に動けます。
しかも、左にハンドルを切りながらなのでその流れでシートベルトをさっと引けそうです。
しかし、右折はつらい。
右目から左脳で認識した警官を、とりあえず警官としか認識しないのです。
遅れて、あっと思った瞬間に笛を吹かれているのです。
それにシートベルトを一瞬で引くのは右にハンドルを切りながらは厳しい。
やるな。と思いました。
完敗です。
でもたまたましていなかった時に、
「ついてない」
と思えばそれまでです。
逆についていると考えました。
早めに捕まっておいてよかったのです。
これで、シートベルトを外すこともなくなるでしょう。
大人の教育を受けたのです。
しかも、授業料(罰金)なしです。
これはついています。
いや、ついているなんて話ではありません。
寒い中、新人の婦警さんは、
僕の免許証の情報を事細かく書き写してくれていました。
本籍地の住所から何から何まで。
初めて合った僕に興味があるわけでもないのに、
僕の情報をメモしてくれているのです。
本当に申し訳ないです。
しかも綺麗な字でした。
「綺麗な字ですね」
と、言ってあげればよかったと後悔しました。
婦警さんの手柄になるなら、
1点と言わず、2点3点と引いてもらってもいいくらいです。
解放されて、
「これから気をつけて下さいね」
と言われ、心から
「お手数をおかけしました」
と謝りました。
一体僕は何をごちゃごちゃと書いているのでしょう。
シートベルト検問。
とにかく、いい勉強になりました。
|