新レインフォレストOPEN。
2012年03月18日(日)
今回の目玉、一枚板のカウンター搬入。
大人5人でなんとか運べるほどの重さがあります。


設置する前のカウンター。
後付けではなく削り出したこの肘置き。
またたくさんの方の想いを乗せてくれることでしょう。

僕のデザイナーさんへの要望に、
もっとプライベート感を出したい、
というのがありました。
今回設置された古材の柱はそのアイデアの一つです。
この柱の位置に悩みました。
そして、設置に関しての大工さんのこだわりがここにありました。
どうやって設置するのか興味深々でした。
大工さんに、
「金具か何かで止めるのですか?」
と聞くと、
「そういうやり方もあるけど、カッコ悪いでしょ」
と言われました。

そして見えないところへのこだわり。
ビスの穴を同じ柱の木で削った木で埋めていっていました。
こういう細かいこだわりが素敵です。

壁は自分達で塗ることになっていました。
家族総出です。弟夫婦も東京から来てくれました。
大工さんが帰った後の夜から夜中にかけて、
みんなで黙々と作業をしました。
手前から、母、弟、嫁。

父はマスキングをひたすらと。


自分達で塗るとこういう隙間ができてしまいます。
この隙間をまた別の日に、嫁と二人で塗っていきました。

6時間くらいかけてやりました。
地味ですが慣れると楽しいものでした。

足置きは初めはこういう感じでした。
でも、何か違う。
友達の大工さんと相談して、今の形になりました。
床掃除もしやすくなっています。

ちなみに床は毎日雑巾がけをしています。
モップでは分からない細かい石も取りたいからです。
なぜそこまでするのか。
足の裏は手の平と同じくらいの感覚を持っているそうです。
意外でした。もっと鈍感かと思っていました。
でも、靴の中に小さな小石が入っているだけで気持ち悪いものです。
そういう感覚を持っているからこそ、床もきれいにしておきたいと思うのです。
だから掃除しやすい足置きにしたかったのです。
足置きは一人ひとつずつ。
これは、隣の人に振動が伝わり難くするためです。
床から振動が伝わらないように、
底の設置面にスポンジをかましています。
だから初めは少しだけ沈みます。
あとは気にならないと思います。

一人ひとつずつの足置きは、
常連のY様の意見を参考にさせてもらいました。

今回は換気にもこだわりました。
換気扇を増やし、吸気を考え、空気清浄機を買い換えました。
換気は本当に難しいものだと知りました。
それでも、以前よりは数段とよくなったと思います。

ボトルを並べる前のボトル棚です。

そしてボトルを並べたあとのボトル棚。
いよいよBARらしくなってきました。

ボトルを並べれば完成ではありませんでした。
すべてのグラスと食器を洗って拭いて戻していきました。
義理の妹と父がダンボールからグラスや食器を出し、
嫁が洗って母と僕が拭いて並べる。
僕一人ではどれだけかかったんだろうと思うとぞっとします。

オープン前日の夜中になんとか形になりました。
カウンターには日本一周徒歩の旅を続けている父。

そして、これがビフォー、アフター。

ビフォー。
アフター。

細かくはむちゃくちゃ変わったのですが、
パッと見は大きく変わっていません。

二回目くらいのお客さまは変わったことに気づかない方もいらっしゃいます。

それでよかったのです。

変わったと感動して下さった方も、しばらくすると慣れて下さいます。

そして、今までのようにグラスを傾けられています。

「前より長居してしまいそうですね」

と嬉しい言葉をかけて下さいながら。
2012-03-18 | 記事へ |
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テーブル。
2012年02月23日(木)
カウンターになる一枚板の長さが余っていたので、
テーブル用に45cm角の板を二枚もらいました。

この二枚はおまけなので加工はまた別注になります。

加工は自分達ですることにしました。

その話しを材木屋さんで聞いた時に、
思った通り、妻のテンションがあがりました。

「がんばってヤスります!」

と張り切っていました。

早速、妻が張り切って家庭用の電動サンダーでヤスっていると、
数十分でサンダーは火花を散らせて壊れてしまいました。

その後ハンドサンダーで地道にヤスっている姿を見た大工さんが、

「明日ベルトサンダーを持ってきてあげるよ」

と提案してくれました。

そして今日、プロ使用のベルトサンダーでヤスり再開。

むちゃくちゃ早い。



後ろの人が大工さん。
本当にやさしい大工さんです。

その後は、細かい紙やすりでまたひたすらヤスりました。

大工さんがおっしゃいました。

「そこまで一生懸命やると愛着わいてくるでしょ。
無垢の木のいいところはそこなんですよね」

と。

愛情のこもったテーブルが完成しそうです。
2012-02-23 | 記事へ | コメント(0) |
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現場力。
2012年02月22日(水)
テーブルの位置や換気扇の位置など、
天井に入った梁との関係で設計図には正確に描けない箇所があります。
それは、現場で決めていかなければいけません。

今回の工事では色んなことにこだわっています。

それは、デザイナーのこだわりであったり僕のこだわりであったりします。

あるものの位置を決めなければいけませんでした。

デザイナーの義理の妹は東京にいるので、現場で相談できません。

設計図通りではどうも違うと思ったので東京に電話しました。

「いいですよ。任せます」

と言われました。

こうして、現場で決めていかなければいけないことがあります。

図面ではハッキリとイメージできなかったものが、
実際に見てみるとグッと現実味がわいてきます。

完成して、「はいどうぞ」ではなく、

細かいところまで聞いてもらいながら作ってくれています。

いよいよ毎日のテンションが上がってきました。

今日は、デザイナーこだわりのボトル棚の基礎が付きました。
2012-02-22 | 記事へ | コメント(0) |
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カウンター加工中。
2012年02月21日(火)
カウンターの加工途中の様子を見に行きました。

全貌はお楽しみとして、カウンターの裏を見せてもらいました。

一枚の無垢の木なので裏にそり止めの金具を入れます。

もう充分なくらいきれいに磨かれていましたが、

これからまだ何度かヤスリをかけて目止め加工というのをしてくれるそうです。

完成が楽しみです。

加工屋さんの社長さんがまたいい人で、
御利益がありそうな素敵な顔をされています。

新しいカウンターからどんどんいい運気をもらいに来てください。
2012-02-21 | 記事へ |
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いったん壊す。
2012年02月20日(月)
ぶっちゃけ、ここまで解体すると思っていませんでした。

「ちょっと改装します」の世界ではなくなりました。


ほとんど初心です。

10年前にやりたかったことを今改めてやろうと思うと、

ここまで壊す必要があったのです。

継ぎ足して、継ぎ足して、思い切って壊す。

その作業が今なのです。

嬉しいことは、工事を請け負ってくれた工務店さんをはじめ、

大工さんも電気屋さんも設備屋さんも、みんないい人なのです。

こういうことは僕にとってはすごく大事なことです。

店は人が作ります。

もちろん最終的にはお客さまにも作っていただきます。

店にかかわって下さる一人一人が気持ちのいい人だと、

その運気がどんどん蓄積されて『いい店』になると思うのです。

解体作業からすでに気持ちのいい人達によって作られています。

いよいよ本格的に、新しいレインフォレストができていきます。
2012-02-20 | 記事へ |
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スクラップアンドビルド。
2012年02月19日(日)
やっと片付けが終わり、棚やカウンターの解体の準備ができました。

棚はどんどん増やしていったので、この景色を見るのは初めてでした。

最初で最後になるこの景色。

スクラップアンドビルド。

壊して建てる。

前進しているんだと言い聞かせながら、
毎日を過ごしています。

僕のそんな気持ちを知ってか知らずか、
手が空いたからと、妻はもくもくと解体作業をしてくれていました。
2012-02-19 | 記事へ |
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リニューアル。
2012年02月15日(水)
改装にともない、今まで使っていた物が不要になってきます。

ほとんどの物は捨ててしまうしかないと思っていました。

ところが、欲しいという方がいらっしゃいました。

カウンター席の後ろで使っていた、
背の高いテーブルセットもその一つでした。



天板は450x450の小さいサイズです。

このサイズのしっかりしたテーブルはなかなかありません。

これは、友達の大工さんに特注で作ってもらいました。

今回、譲って欲しい人がいると、作ってくれた大工さんに伝えました。

その大工さんは喜んでいました。

自分が作ったものを、欲しいと言ってもらえたことが嬉しいそうです。

「欲しいと言ってくれた人が喜んでくれるように、
きれいにしてあげたいですね」

と言って、綺麗にしにきてくれました。

イスもできるだけ磨いておきました。

これで、またいい感じに使ってもらえると思います。

ソファも母親が仕事場に持って行くそうです。

カウンターの天板は、誰もいらないだろうと思っていたら、

その大工さんが欲しいと言いました。

パソコンテーブルや何かを作るそうです。

これも処分しなくて済みました。

実はホッとしています。

思い入れのカウンターです。

バキバキッと捨てられるのは忍びないと思っていました。

大工さんの手でカッコいいものに変身させてくれることでしょう。

リサイクルではなく、リニューアルなのです。
2012-02-15 | 記事へ |
| 新レインフォレスト |
初IKEA.。
カウンターの後ろの席の椅子を探しに、
IKEAに行ってきました。

夜の9時まで開いています。

この時間に外をウロウロするのも久しぶりです。

順路に沿って行く博物館のようになっているので、
なかなかお目当ての場所まで辿りつけません。

うまいことになっています。

グラスや照明など、店で使えそうなブースには、
どうしても寄ってしまいます。

椅子はなかなか出てきません。

自分の部屋のベッドサイドにちょうどよさそうな棚を、
買おうかどうか迷っている始末です。

もはや仕事モードになっていませんでした。

やっと椅子のブースに辿りつきました。

でも、少ない。

イスは高さと座り心地を重視したいので、
なかなか気に入るのは見つかりません。

結局、数脚のイスを試しましたが、
これといったのは見つかりませんでした。

帰り際に妻があるものを見つけ、

「タパスタやん」

と言って写真を撮りました。

タパスタは店でサービスでお出ししているお菓子です。

こんなことをしている場合ではないのですが・・・。
2012-02-15 | 記事へ |
| 新レインフォレスト |
閉幕。
2012年02月14日(火)
お陰さまで10年間のレインフォレスト第一章が幕を閉じました。

ありがとうございます。

最後のお客様が帰り際におっしゃって下さいました。

「美味しかったし、楽しかったです」

最高のお言葉でした。

この一週間は、今のレインフォレストを見収めようと、
それだけのために来て下さる方がいらっしゃいました。

本当に嬉しく思います。

新しい店はどんな店になるのか。

心配して下さるお客様もいらっしゃいます。

安心して下さい。ミラーボールは付きませんw

僕自身も不安と期待で楽しみにしています。


それでは、誠に勝手ですが、しばらく休業させていただきます。

新しいレインフォレストも、どうぞよろしくお願い申し上げます。


見収め^^
2012-02-14 | 記事へ |
| 新レインフォレスト |
新レインフォレスト。設計編。
2012年01月29日(日)
店舗デザインをお願いしている義理の妹が言っていました。

「デザインした店が雑誌に載ることは、別に目標ではないんです」
と。

デザイナーさんというのは、とにかく雑誌などのメディアに載って、

有名になることを目指しているのだと思っていました。

「雑誌に載ることは悪いことではないけど、

それを狙いすぎると使う人のことを考えられなくなる」

デザインだけに凝ったお洒落なお店で、本当にくつろげるのか。

ということです。

また、そういう店舗が雑誌に載ることも少なくないようです。

「店舗デザインは、使う人が一番重要だと思う。

デザイナーのエゴになってはいけないと思う」

と話してくれました。

だからといって、なんでも施主の言うとおりでは、

デザインの意味がありません。

僕が、

「ここは、これじゃあかんかな?」

と聞いた時に、

「もしかしたらそれもありかもしれない。
もうちょっと考えさせて下さい」

と言ってくれました。

ここはこうだからこう、と説得されれば納得するかもしれません。

でも、できてから、

「やっぱり」

と言っても遅いのです。

デザイナーとしてのプライドと、施主である僕の要望を、
ギリギリのところで表現してくれようとしています。

使う僕と、使ってもらうお客様のことを考えて。

話し合いは朝の5時過ぎまで続きました。

2012-01-29 | 記事へ |
| 新レインフォレスト |
新レインフォレスト。扉編。
2012年01月25日(水)
僕の店は外から中は見えません。

初めて来られる方は、
どんな店なのか扉を開けるまで分からないのです。

先日、若い女性のお客様に話を聞かせてもらいました。

ここにBARがあると知ってから、中はどんなだろうと想像していたそうです。

20代前半の方なので、映画やテレビの世界でしかBARを知らなかったそうです。

「恐い人がいるんじゃないか。
マスターがイカつい人じゃないか。」

確かに、これくらいは想像します。

「麻薬の取引をしているんじゃないか。」

これはテレビや映画の世界です。

「拳銃が置いてあるんじゃないか。」

もはや営業できません。

でも、中が見えないと、ありえないこともないと、
想像してしまいます。

僕は、聞きました。

「よく、そんな想像の中、この扉を開けてくれましたね。」

一人で来られていたのです。すごい勇気です。

その女性の方はおっしゃいました。

「この扉を開けると新しい自分の扉が開くんじゃないかと思って」

そこまで思って扉を開けて下さったのです。

本当にそうなってくれていると嬉しいですね。

人生の新しい扉はいろんなところにあります。

扉を開けた人だけが見える景色があります。

3月。また新しい扉ができます。


「昔のレインフォレストから知っている」

と自慢してもらえるような店になればいいなと思っています。
2012-01-25 | 記事へ |
| 新レインフォレスト |
新レインフォレスト。一枚板編。
2012年01月22日(日)
なぜカウンターを一枚板にしたいのか。

温かみと重厚感です。

グラスをトンッと置いた時の音が違います。

衝撃を吸収して落ち着いた音を出してくれます。

肘を置いた時の温かさ。

何百年も生きてきた木が、

何もかもを受け止めてくれるような気がします。

今のカウンターもたくさんの方の気持ちを、

僕と一緒に受け止めてくれました。

思い出深いカウンターです。

今度は無垢の木です。

どのような効果を発揮してくれるのかはまだ未知数です。

でも、きっと良くなると思います。

木の力を信じています。


先日、購入した木を見に行ってきました。

購入したウェンジという木です。

この木の耳を取って、きれいに磨くと濃いダークブラウンが出てきます。

予算を大幅に越えてしまいましたが、

本当に気に入った木が見つかりました。

新しい僕のパートナーになる木です。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

2012-01-22 | 記事へ |
| 新レインフォレスト |
新レインフォレスト。
2012年01月21日(土)
10年前。

23才の若いインテリアデザイナーが、
一から店のデザインをしました。

同じく23才の大工さんがその店を作りました。

そして、26才の僕がカウンターに立ったのです。

若いけれど、熱い店ができました。

「岸辺っぽくない」

これが最高のほめ言葉でした。

あれから丸9年がたちました。

義理の妹になったそのインテリアデザイナーに、

ある時こんなことを聞いてみました。

「もし、今この店がなくて、これから店を作るとしたら、
デザインはこんな感じになっていた?」

間髪入れずに答えてくれました。

「全然違うと思う」

そして、あれからずっとその仕事をしている彼女に、

失礼ながら聞きました。

「もっと良くなる?」

こんどの返事はもっと速かった。

「もちろん!」

当然でしょう。

10年前と同じレベルなわけがありません。

僕はそれを聞いて言いました。

「改装したいなと思ってるんやけど・・・」

去年の初めの頃の話です。

その話をした後、東京に帰った義理の妹からメールがきました。

「お兄ちゃん。改装して、さらにいい店にしましょう。」

僕のスイッチが入りました。


常連のお客様は今のレインフォレストを気に入って来て下さっています。

なので、その方たちに改装の話をすると、

「別に変えなくていいのに」

と言って下さいます。

その旨も、インテリアデザイナーにちゃんと伝えています。

彼女はそれも分かった上で、もっとよくしよう、と言ってくれています。

この改装で一番気にしているのは、

その常連の方たちを失望させないということです。

むしろ、改装して良くなったねと喜んでもらえることを目指しています。

楽しみに待っていて下さい。


今年僕は36才になります。

当然ながら月日はたち、40才になって50才になっていく。

40才を越えた僕は、どんな店をやっていたいか。

イメージがあります。

がむしゃらに若く熱い店ではなく、

もっと熱い店です。

ノリとテンションで上げる熱さではなく、

地球の中から温めるマグマのような、

そんな熱さのある店です。

オープン予定は3月4日。

2月14日(火)より改装のため休業させていただきます。

『今後20年通えるBARを目指して』
2012-01-21 | 記事へ |
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