奥さんがいる家に、帰りたくない旦那さんがいます。
結構いると思います。
『だったら結婚なんてしなきゃいいのに』
というのは早計です。
好きだけど家に帰りたくないのです。
これが独身の時は理解できません。
ずっと一緒にいたいと思って結婚したのです。
それが叶ったら次はどうなるか、ということです。
ずっと欲しかった腕時計と一緒です。
その時計が買えたら、もうその腕時計は欲しいとは思いません。
大切に使いますが、欲しいという欲求は満たされてしまったのです。
ある人は、
「一人になりたい」
と言います。
これは二人だから言えることです。
ここに気づくのです。
すると、一人になりたいというのは、
奥さんが嫌になったということではないと分かるのです。
家に帰りたくない、も同じです。
もっと言うと、好きだから帰りたくないのです。
今、帰るとケンカしてしまいそうだから帰りたくないのです。
一緒に住んでいると、相手の機嫌なんて自分のことのように分かります。
顔に出ていなくても、
「あぁ、なんか今日ちょっとちゃうな」
と分かるのです。
そして、自分もいつもとちょっと違うとどうなるかは、本能で分かっています。
だから家に帰りたくないのです。
それでいいのです。
話し合ってという作業は思いのほかエネルギーを使います。
できれば使いたくない。
無駄ではありませんが、もったいないのです。
なぜなら、話し合うタイミングが悪過ぎるのです。
二人がむちゃくちゃ元気な時に、
「そういや、あの時なぁ」
というのがいいタイミングです。
それを、二人のストレスが満タン状態でケンカすると、目も当てられません。
この時に、恋愛と結婚の違いがでます。
結婚は別れるという前提がないのです。
別れるという前提のないケンカほど難しいことはありません。
折り合いがつかないのです。
恋愛中だと、別れたら済むのです。
そして、数時間後に電話して、
「さっきはごめん」
で折り合いがつくのです。
結婚はそれができない。
だから、できるだけケンカはしたくないのです。
では、どうすればいいか。
帰らなければいいのです。
ずっとではありません。
少し元気になってから帰ればいいのです。
それで奥さんに怒られても、ケンカするよりはマシです。
『ずっと一緒にいたい』のと、
『ずっと一緒にいなければいけない』のとでは全然違います。
一緒にいたい、と思うためには、一緒にいてはいけないのです。
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