店舗デザインをお願いしている義理の妹が言っていました。
「デザインした店が雑誌に載ることは、別に目標ではないんです」
と。
デザイナーさんというのは、とにかく雑誌などのメディアに載って、
有名になることを目指しているのだと思っていました。
「雑誌に載ることは悪いことではないけど、
それを狙いすぎると使う人のことを考えられなくなる」
デザインだけに凝ったお洒落なお店で、本当にくつろげるのか。
ということです。
また、そういう店舗が雑誌に載ることも少なくないようです。
「店舗デザインは、使う人が一番重要だと思う。
デザイナーのエゴになってはいけないと思う」
と話してくれました。
だからといって、なんでも施主の言うとおりでは、
デザインの意味がありません。
僕が、
「ここは、これじゃあかんかな?」
と聞いた時に、
「もしかしたらそれもありかもしれない。
もうちょっと考えさせて下さい」
と言ってくれました。
ここはこうだからこう、と説得されれば納得するかもしれません。
でも、できてから、
「やっぱり」
と言っても遅いのです。
デザイナーとしてのプライドと、施主である僕の要望を、
ギリギリのところで表現してくれようとしています。
使う僕と、使ってもらうお客様のことを考えて。
話し合いは朝の5時過ぎまで続きました。
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