10年前。
23才の若いインテリアデザイナーが、
一から店のデザインをしました。
同じく23才の大工さんがその店を作りました。
そして、26才の僕がカウンターに立ったのです。
若いけれど、熱い店ができました。
「岸辺っぽくない」
これが最高のほめ言葉でした。
あれから丸9年がたちました。
義理の妹になったそのインテリアデザイナーに、
ある時こんなことを聞いてみました。
「もし、今この店がなくて、これから店を作るとしたら、
デザインはこんな感じになっていた?」
間髪入れずに答えてくれました。
「全然違うと思う」
そして、あれからずっとその仕事をしている彼女に、
失礼ながら聞きました。
「もっと良くなる?」
こんどの返事はもっと速かった。
「もちろん!」
当然でしょう。
10年前と同じレベルなわけがありません。
僕はそれを聞いて言いました。
「改装したいなと思ってるんやけど・・・」
去年の初めの頃の話です。
その話をした後、東京に帰った義理の妹からメールがきました。
「お兄ちゃん。改装して、さらにいい店にしましょう。」
僕のスイッチが入りました。
常連のお客様は今のレインフォレストを気に入って来て下さっています。
なので、その方たちに改装の話をすると、
「別に変えなくていいのに」
と言って下さいます。
その旨も、インテリアデザイナーにちゃんと伝えています。
彼女はそれも分かった上で、もっとよくしよう、と言ってくれています。
この改装で一番気にしているのは、
その常連の方たちを失望させないということです。
むしろ、改装して良くなったねと喜んでもらえることを目指しています。
楽しみに待っていて下さい。
今年僕は36才になります。
当然ながら月日はたち、40才になって50才になっていく。
40才を越えた僕は、どんな店をやっていたいか。
イメージがあります。
がむしゃらに若く熱い店ではなく、
もっと熱い店です。
ノリとテンションで上げる熱さではなく、
地球の中から温めるマグマのような、
そんな熱さのある店です。
オープン予定は3月4日。
2月14日(火)より改装のため休業させていただきます。
『今後20年通えるBARを目指して』
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