語学よりも大事なこと。
2011年11月06日(日)
留学生を相手にする仕事をされた方に話を聞きました。

語学が必要な分野ではありません。

たまたま留学生を相手にしなければいけなくなった状況です。

ある留学生は、

「英語しかしゃべれないから英語で話してくれ」

と偉そうに言う人もいると教えて下さいました。

でも、中には、たどたどしいけど、日本語で一生懸命話そうとする人もいるそうです。

しかも、申し訳なさそうに。

ここが大事なことだと思いました。

その国に行くのに覚えておくのは言語ではないのです。

文化や宗教、習慣なのです。

日本人には謙虚という文化があります。

「申し訳ない」

という気持ちです。

「申し訳ない」を英語にすると、「I'm sorry」です。

この、「I'm sorry」を英語圏で連発すると嫌われます。

「You don't have to say sorry(ソーリーって言わなくていいよ)」

と怒られます。

これが言語よりも知らなければいけないことです。

日本語を話せなくてもいいのです。

ただ、偉そうにしないことが日本人に受け入れられる秘訣なのです。

謙虚な外国人を見ると、どうしても助けてあげたくなるのが日本人の心です。

でも、この謙虚というのがまた難しい。

海外では謙虚のつもりで控え目でいるとおいていかれるのです。

僕はたまに友達とタイに遊びに行きます。

僕はタイ語を勉強していましたが、友達はそうでもありませんでした。

でも、タイ人と仲良くできるのは、その友達の方です。

言語ではないのです。

『ノリ』なのです。

タイ語が話せてもタイ人からすればそれはそれです。

それよりも、「なんだか面白い人」「明るい人」というのがタイでは大事なのです。

その友達は、確かに面白い。

タイ語を話さないのに、タイ人を笑わせています。

これがその国で必要なことなのです。

特にタイでは重要です。

日本の場合、ずっと以前に電車の中で、

「Be happy!」とテンションの高い外国人が叫んでいましたが、

これは日本では受け入れられません。

「Be happy!」という文化ではないのです。

日本人はどちらかというと、

「Become happy」です。

「幸せになろう」なのです。

「Be happy」は、「幸せでいる」に近いニュアンスです。

だから外国人にそう言われてもピンとこないのです。

この違いを知っていることが、その国でうまくやれる秘訣だと思うのです。

先日、ドコモが同時通訳のできる携帯電話サービスを開始したというニュースを読みました。

これは衝撃的でした。

自然言語処理は難しいので、もっと先になると聞いていました。

完璧ではないにしても、サービスを開始できるところまできているのです。

こうなると、早いと思います。

語学を勉強するのが好きな僕にはショックなニュースです。

もう、必要なくなるのです。

英語がしゃべれることが優位にはならないのです。

そうなると、必要なのはやはり、その国々の文化や習慣を知ることです。

そして、いかに馴染めるかということです。

僕はタイが好きですが、暮らしたいとは思いません。

それは、僕には合わない文化だからです。

ただ、合わない文化だと分かっていることが、

タイ語を勉強するよりも大事なことだと気づかされたのです。

2011-11-06 | 記事へ |