妻がニューヨークから帰ってきました。
楽しみなのは、土産話です。
妻も観光が好きなわけではないので、土産話はもっぱら、
ニューヨークでの面白話です。
「自由の女神を見て、それからどこどこ行って・・・」
というような話ではありません。
「タイムズスクエアに、中国みたいな偽者の着ぐるみを来た人たちがいて、
一緒に写真を撮るかわりにチップを求めてくるねん。
その中に、エルモの頭を取って休憩しているおっさんがおったから、
おもろいなぁ思って写真撮ってん。
そしたら、そのおっさんに気づかれて、『チップ』と言うので、
『おっさん、今、ハーフエルモやな。だからチップもハーフね』
って渡してん。そしたらおっさんも、なんか納得して、
『OK.Thank you!』って。」
というような、エピソードです。
もちろん一気にたくさんのエピソードを話せるわけもありません。
これからまた、少しずつ話を聞かせてくれると思います。
「せや、ニューヨークではな・・・」
と、他人が聞いたら鼻につくようなネタが僕は好きです。
土産話を聞くには、聞く方にも力量がいるのです。
ただ単に、
「何が面白かった?」
と聞いても面白い話しは引き出せません。
「タイの何が面白いの?」
と聞かれても、物価が安くてマッサージが気持ちいい。
くらいの話しかできません。
「元ニューハーフの人が完全な女性になって働いている店」
の話は、聞かれないとしないし、知らないと聞けません。
タイのニューハーフを見たことがない人には面白くもなんともない話です。
ニューヨークには行ったことがないですが、海外の雰囲気は分かります。
サンドウィッチを注文するのにもややこしい店があります。
それを知っているから、そういう店での話が面白く聞けるのです。
話を聞くだけでニューヨークに行かなくても、行った気分を少し味わえます。
妻が必死で奮闘してきた話を、アイスコーヒーをすすり、
優雅にドキドキしながら聞かせてもらいました。
|