タイはプーケットの繁華街を歩いていました。
日本人が少なくなったいまだに、
「シャチョォ(社長)」
や、
「ごめんねごめんね」
と、日本語で話しかけてくれる、お土産売りの人がいます。
そんな中、一瞬で凍りついた瞬間がありました。
とても流暢な関西弁、しかもドスの効いた言葉で、
「どこ行くねんっ?!」
と言われたのです。
「ど」にアクセントの乗った、ケンカ腰の言い方です。
思わず、グワッと振り返ってしまいました。
すると、ニコニコ顔のタイ人が、タイ語のような英語で、
「今の発音完璧やろ?」
と、話しかけてきました。
完璧ですが、気分は悪いです。
きっと、心無い関西人が、必死で教えたのでしょう。
関西弁は関西以外の日本人でも発音が難しい。
それを、このタイ人は、完璧にできるまで必死で教えてもらったのでしょう。
使えない関西弁を・・・。
気の毒です。
僕は、
「それは、あまりいい言葉ではないので使わない方がいいですよ」
と、しばらく歩いてから教えてあげようと思いました。
引き返しているうちに、ちょうどトゥクトゥク(タクシー)がつかまりました。
教えてあげられずじまいでした。
日本人とケンカになっていないことを祈ります。
そんなことを思い出しながら、一冊の本を見つけました。
『その英語、ちょっとエラそうです(青春新書)/ディビッド・セイン
』
気づかずうちに、外国人に対してこんなことになっていないか心配になりました。
早速買って読みました。
ちょっとした言い方で、伝わり方は違ってきます。
ちょっとしたことでも覚えておいて損はありません。
むしろ、そのちょっとを覚えていないと損するのです。
「どこ行くねん?」
も
「どこ行くのん?」
と、聞かれたら、何かお土産を買っていたかもしれません。
いや、まぁ、そんな簡単な話じゃないかな。
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