ママチャリで日本一周をした方が店に来てくれました。
旅は去年の夏、在学中のことです。
出発する時と帰ってきた時にチラッと顔を見せてくれました。
ただ、旅の詳しい話は聞けずにいました。
聞きたいことがたくさんありました。
どこに泊まっていたのか。
何を食べていたのか。
お金はどれくらいかかったのか。
一日にどれくらい走ったのか。
困難をどうやって乗り越えたのか。
帰ってきて変わったことは何か。
矢継ぎ早に聞きました。
興味深い話をどんどん話してくれます。
「帰ってきて変わったこと」
という質問は難しい質問です。
すごいことをした人は、する前は、もっと何か変わると思って始めます。
でも、実際に達成してみると、意外と自分では何も変わってないように感じるのです。
ただ、終わっただけ。のような。
だから質問を変えました。
「自分の中から感じることで、増えたことって何?」
その質問には、
「『人は本当は優しい』ということを実感した」
と話してくれました。
たくさんの親切に出会ったそうです。
感動的な話もありました。
自分で経験してみないと味わえないような感覚だと思います。
だから、まず人に会ったとき、
「この人もきっと優しい人なんだろうな」
と思えるようになったと話してくれました。
「71日間で、思い出したくない日は一日もないですね」
と、目を輝かせて話てくれました。
第三者の僕には、彼の何が変わったのか分かりました。
それは、
「何でもやればできる」という自信を持った顔でした。
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