選択肢があって、AとBで悩んでいるとします。
このときに、悩んでいるのか迷っているのかが問題です。
迷っているのなら、誰かに背中を押してもらえます。
相談に乗るのも簡単です。
どっちの答えを言っても、相手の背中を押すことになるからです。
でも、悩んでいるという人は違います。
悩んでいるのは、AとBのどちらをとっても何か気持ち悪いのです。
つまり、答えはAとBに無い場合があるのです。
これが悩み相談の難しいところです。
AとBで迷っているのなら、他人の経験談も役に立つことがあります。
ヒントになるからです。
でも、悩んでいるときというのは、自分でも何をモヤモヤしているのか分からないのです。
そんなときの他人の経験談ほど、的を得ない話はありません。
自分の経験則で相談に乗って外すのはそういうときです。
人の悩みというのは、それくらい漠然としていて得体が知れないのです。
たまに、
「悩みがないのが悩み」
という人がいます。
悩みごとだらけの人からすれば、
「何を贅沢な」
と思うかもしれませんが、これは立派な悩みなのです。
なぜなら、悩みがなければハッピーなはずなのに、
その幸せを受け入れられていないのです。
「悩む人生」と「悩まない人生」の選択肢があって、
このどちらも選択できていないということです。
悩まない人生を選んだはずなのに、どうも気持ち悪くて、
悩みも必要なんじゃないかと思い始め、
悩みがないことに悩んでいるのです。
そんな人が、本当に悩みを抱えてしまったら大変です。
最初の選択肢もあいまいなままで、次の悩みに突入してしまうのです。
もう、どこから手をつけていいのか分からなくなります。
迷ったら直感で動けますが、悩んだら紐解いていく必要があります。
今自分は、迷っているのか、悩んでいるのか。
悩みの正体がつかめると、先に進めるのです。
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