幸せ。
2008年10月03日(金)
ある男の人がいました。
彼は仕事が遅くなり、彼女を二時間も待たせてしまいました。
謝る彼に彼女が言いました。
「好きな人を待つのは楽しいんだよ」
ドラマのようなセリフです。
なかなか言えません。
これが付き合いたての新人カップルなら分かります。
四年もたってこの新鮮さに彼はうまく返せなかったそうです。
そして、ただ、「幸せだな」と。
そう思ったそうです。
好きな人を待たせてしまった。
でも、そんな時にこう言われたら。
この会話それ自体が幸せという形ではなく、
幸せだと思えたことが幸せなのです。
幸せの定義は何だろう、という話をたまにします。
「幸せって何?」
と言うのですが、これという形はありません。
例えば、東急ハンズに行って、
「あったあった。これが幸せだよ」
という物はないのです。
「幸せですか?」
の答えは、
「はい」か「いいえ」です。
「幸せですか?」
と聞かれて、
「幸せって何ですか?」
という時点で違うと分かります。
疲れていそうな人に、
「お疲れですか?」
と聞いて、
「疲れるって何ですか?」
と言われたら疲れていないということです。
空元気でも元気なのです。
「幸せかどうか分からない」
と言う人は分からないのです。
ただそれだけです。
お寿司を食べて、美味しいかと聞かれ、
「分からない」
と同じなのです。
答えは誰も教えてあげられません。
美味しいか美味しくないか、
幸せか幸せじゃないか。
そもそも幸せの定義なんてないのです。
気付いているかどうかなのです。


2008-10-03 | 記事へ |