ノスタルジーモルト。
2011年10月01日(土)
シングルモルトの楽しみ方の一つに、
『匂いを探す』
というのがあります。

アーモンドやチョコレート、りんごや花の匂い、
はたまた、セメンダインや濡れたアスファルト、
なんて匂いもあります。

僕は、リヴェット12年に消しゴムを見つけました。

ずっと以前に妻とそんな風にモルトを楽しんだことがあります。

その時に妻は、

「あぁ、これあれや。港で石原裕次郎が足を乗せているやつや」

と言いました。
(どのモルトかは忘れました)

船をロープで縛り付けるためのあれですね。

うん、確かに。ってか石原裕次郎って...。

昨日、トバモリー10年を飲まれたお客様が面白い表現をされました。

「これは、濡れたダンボールの匂いがするんよな」

ここまでは、聞いたことのある表現です。

その後が、ワインを飲むお洒落なレストランではない表現です。

「子供のころこっそり見た、
公園に落ちている濡れたエロ本を思い出すんよw」

そのふやけてパリパリになろうとしているエロ本は、
ギリギリ僕の世代では分かります。

表現が面白かったので、半信半疑でボトルの匂いをかいでみました。

その瞬間、フラッシュバックがおこりました。

少年の僕、近所の幼馴染の友達、公園、草むら、濡れたエロ本・・・。

濡れたインクの匂いがしました。
土のついた濡れた紙の匂いがしました。

足で蹴ってページを開こうとしている僕が見えました。

なんとノスタルジーなモルトなんでしょう。

全然出ないモルトなので、メニューから外したばかりでした。

しかも、以前のラベルなのでもう手に入りません。

今の今まで気にもしていなかったトバモリー10年。

この瞬間に一気にファンになってしまいました。

おそらく後3杯ほどです。

このノスタルジーが分かる、
30代以上の人だけに飲んで欲しい一本です。


『トバモリー10年 1ノスタルジーショット900円』
2011-10-01 | 記事へ |