初マラソン本番は、6月9日です。
1ヶ月前までに長い距離を走ってみたかった。
仕事前はさすがに辛いので、仕事が終わってから走ることにしました。
片付けを終えて、次の日の開店準備も済ませた午前3時40分。
31kmを目指して暗闇の中を走り出しました。
妻が自転車で併走してくれています。
15kmあたりで夜が明けてきました。
持参していたスニッカーズを食べながら少し歩きました。
澄んだ空気。すがすがしい朝焼け。
こんな近くに、こんなに気持ちのいい場所があったのかと感動しました。
歩くと走り出すのが辛くなります。
それでも、思い切って先に進みました。
今まで痛くならなかった太ももの裏が痛くなってきたのは、
21kmを過ぎた辺りから。
一度痛くなると、もう治まりません。
ずっと、その痛みと付き合って走るしかありませんでした。
残り10kmのことは考えたくありませんでした。
なんでこんなことを始めてしまったのかと、
後悔したのもこの辺りです。
気持ちよさは、これっぽっちもありませんでした。
ランナーズブルーです。
ふくらはぎから太ももの裏を通ってお尻まで、
着地するたびに全体に痛みが走ります。
どこの筋肉を使って前に進んでいるのかもわかりません。
26kmくらいで、大事なことを思い出しました。
「今日も店を開けるんだった・・・」
28km地点。僕は足を止めました。
およそ3時間30分。
残りの3kmを走り切れば、カウンターに立つ自信がありませんでした。
併走してくれていた妻の自転車に乗って家まで帰りました。
「あと3kmなのに、マスターって意外とへたれなのね」
と思われたかもしれません。
へたれの人は、実はこんなに辛い思いをしているのかと、
これから、へたれの人には寛大になれそうな気がします。
一度止まると、歩くこともままなりませんでした。
走り終わったあとはいつもアイシングをするのですが、
この時は、寒くて震えが止まりませんでした。
顔面蒼白で唇は黒くなっていたそうです。
お風呂に浸かってやっと震えは止まりました。
ランニングは身体にいいと言いますが、
これは、完全に身体に悪いです。
本番はここから更に14km。
僕はどうなってしまうのでしょう。
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